【人】 宝石人 リリス「スノウ、ごめん、少しだけ、魔力…貸して…?」 そう懇願すると、リリスはスノウにキスを求めました。 キスか、若しくは指先などの触れた先からか。 スノウから少なく無い魔力を吸い取ってしまうと、カッ!とリリスの体が、詳細に言えば熱を帯びていた下腹部が光ります。 部屋の中に光が散りました。 けれど散った光は直ぐに収束し、50センチほどの淡い光を保つ珠がになります。 その淡い光がだんだんと治ってくると光が硬質の殻らしきものになり、二人の近くにころりと転がりました。 はあ…と、リリスは息を吐き出します。 リリスも、もしかしたらスノウも魔力が足りなくなっていると言うのに、その珠はよく見れば大量の魔力を蓄えています。 「…スノウ、これ、…この子? 出てきちゃった…ね?」 ふわっと、ではありませんでしたが。 たくさんの魔力を得ながら、確かに魔力の珠が出てきたようでした。 まるで淡く光る卵のような、魔石のような。 それではリリスの聞いた話によるならば、これから更に魔力を上げる事になるのでしょう。 魔力の珠をそっと抱き寄せて、スノウを見上げます。 (97) 2023/06/28(Wed) 15:09:43 |