【人】 第11皇子 ハールーン─ 給仕室 ─ 「皿は下の棚の左にある一番デカイ奴使え。 茶葉はモスグリーンの棚。茶器はその上。 壊すなよ。人数?知らね。6人でいーんじゃね。」 [──なんて事を、コンロ台に足を組んで座りながら上から目線で一気にまくし立てるもんだから、俺は流石に開いた口が塞がらない。あの頃と全く変わっていないのだ。 変わってないといえば、この給仕室も何年経っても真っ白のまま。鮮やかな濃いブルーとターコイズ、ウルトラマリンのタイルが幾何学模様を描いていた。コンロの上に備え付けられた棚はモスグリーンの石造り。コンロしたの棚のドアは昔から木だった。ここだけなんで材質が違うんだろうと、今も同じことを思う。それはさておき、] ……ちょっ、なんで命令してんの?! 俺がやる! 「オマエ相変わらず莫迦だな 何の為の従者なんだよ。仕事を奪うな。」 [そういえば、といった雰囲気で俺はじっとイスマーイールを見つめた。実に嫌そうな怪訝な顔で見つめ返される。] 「……何?」 イスマーイール……従者居ないんだ。 「殺してやろうか???」 . (98) 2021/04/22(Thu) 19:40:21 |