【人】 第11皇子 ハールーン[引きつった笑みで零された物騒なセリフに、思わず笑ってしまった。こんなやり取りを、ダレンはどう思ってるんだろうか?さっき伝えた情報が冗談みたいな雰囲気にみえるかな。 だけど、そう思ってるのは俺だけかもしれない。憂鬱そうなセリフが続く。] 「もてなしてやってんのに何その態度 ホント腹立つ野郎なとこは変わってねぇ 昔からトチ狂ってんだよな。」 それ、俺のこと毒殺しようとした人が言う?! 「……昔からそう。皇子の自覚がねンだよ。 家のために強い奴が残るのは当然だろ。 弱ぇヤツまで大事に保護なんかしてたら 秒で財政破綻の未来が見えるわ。」 [『財政破綻』という単語に少々面食らう。確かにそんなこと、考えたことなかったかも知れない。イスマーイールの言葉はそこで終わらなくて] 「オマエの主観では悲劇かもしんねェけど、客観、 『皇子の自覚もなくフラフラと逃げ回った挙げ句、 特に用もないのに男連れで帰ってきた不良債権』 って状態なの、オマエ解ってんの?」 [そこまでいって、何かに気づいた様に口を噤む。俺は、返す言葉が見つからなくて、ただ、相手から目を離さない事しかできない。] . (99) 2021/04/22(Thu) 19:45:37 |