[……今、その片割れの方は、ぶすくれた顔で頬を膨らませていた。
>>88彼は男の子だけれとどこか愛嬌のある人だと思う。
表情がくるくると変わるから見ていて面白い。]
やっぱり逃げようとしたのね。
諦めないところは、感心するけれど……。
[ミノムシがじたばたとしている姿を眺めながら、
少し呆れたような声を漏らしていれば。
不意に小さくなったジャヤートの声に、小首を傾けた。
彼の後生を聞くのはこれで10回をとうに越えている。
いや、それ以上か。
だが、今回ばかりは彼の肩も持ちたくなるもので、ううんと唸り声を上げた。]