【人】 不覊奔放 ナフ>>101 アンタレス 「……あーァ、逃げられちまッた」 脚は空振り、礫が降り注ぐ。 もう暫くは使い物にならないくらい凍えて凍ってしまった左腕を眼前に翳し、頭と顔を守りながら横に飛んだ。それでも左腕には幾分氷の針が突き刺さり、身体中に微細な傷も作ってはいるのだが。 壁を蹴る。前方に飛ぶ。あなたの胸元目掛けて、ロケットのように。突き飛ばして押し倒して、あなたに対してマウントをとってしまいたい。できるならば。 「……楽しいよ」 「今は遊びを優先してねーだけ」 紡いだ言葉に嘘はない。なんとも穏やかな、この場にそぐわぬ声でつぶやいた。 (102) 2021/10/12(Tue) 2:09:12 |