人狼物語 三日月国

5 光と闇の幻影月蝕〜Phantom lunar eclipse〜


【人】 まつろわぬ白の神子 マシロ

―現在・不死視街《ブレイズ・フェニックス・シティ》―

["黒"が一筋、わたしのほうへ向かってきた。

それは、まるで黒水晶の柱のよう。
或いは、朔の夜のようとでも言えばいいのかしら。
月も星もない、暗黒そのものといったそれを
そっと半歩引いて避けると同時、その暗黒に手を翳して
その動きを"凍らせ"た。

その折、身に着けていた薄衣がびり、と
音を立てて破けてしまった。
それが少し悲しくて、す、と眉が下がる。

生贄のために教団の人たちが用意したこの装束は、
この身体で目覚めてからずっと身に纏っていたもので
わたしとしては、それなりに気に入っていたのだけど]

 困ったわね。
 あたらしい着物を探しにいかないといけなくなったわ。
(102) 2018/12/10(Mon) 22:28:26