【人】 厨房担当 マシロ[ 栗栖の答えは、ゆっくりとした口調で返された。>>92 だから大咲も言葉を挟まず、じ、と耳へ入れる。 ──普段の元気で明るい肉青年という印象が抜けるくらい "大事なもの"を渡して貰えている実感が、あったから。 ] ………………強いね、栗栖くんは。 小さい頃の自分の夢を叶えてあげるってことは、 自分の足でちゃんと 立ってるってことだから。 うん。 親の事情とか気持ちって、子どもでも……分かるよね。 でも、だから、なんにも言えなくてさ。 [ 分かるよ、ともう一度、内心で呟いた。 大咲にもその感覚には覚えがある。 親には親の事情があって、子どもは察して何も言えない。 言った方が良いことも、言わない方が良いこともあって、 どっちつかずの宙ぶらりんのまま。 ] (103) 2023/03/03(Fri) 13:50:42 |