【人】 中等部A サルガス>>1:97 >>1:100 メレフ 「ううん、これはおいしいから食べてるだけ。 野草とりてつだってたときとかに、つまみぐいしてたんだ、むかしから。 蜜がちかいから、ほんのちょっとだけ甘かったりするんだけど……たべないの?」 まるで誰もが同じことをするかのように言った。変なことではないらしい。 薄ピンクの細い花びらがもさもさと唇の間に埋まっていく。 「メレフ、メレフはそう思ってるんだね。でも、ぼくのこと見てくれてて、うれしかった。 やさしいから、ちょっとだけ距離をおいてるの、なんとなくわかるよ」 距離をおいている理由はわかっていない。きちんとは。 だから、少し時間も経ってきていい頃合いで、離れるのも大きくは引き止めなかった、けど。 「わ」 少し足元が不安定になったのをみて、ほとんど抱きつくみたいに揺らいだほうから体を支えた。 (103) 2021/05/26(Wed) 0:28:25 |