【人】 1年生 工藤美郷──レストラン到着── [工藤が奇跡的に研究室のグループLINEに入っていたのは、きっと親切なお節介焼きがいたのだろう。 工藤は、音の鳴らないヒールでふらふらと歩く。 客がいなくなった分、人の声も聞きやすい。 突如として広い美術館に響き渡った声>>46も、香坂さんのものだともはっきりとわかる 。 途中、小泉先輩と香坂さんが話しているところに出くわしただろうか。そうだとしても、工藤からは話しかけることなく、呼びかけられなければ振り向きもせずに通り過ぎた。 やがて、客が絶えた美術館の中で、唯一にぎやかなレストランへと到着する。] …………。 [集まった先輩方に、工藤が自分から話しかけることは無く。 ただ、入り口の近く、先輩の輪から少し離れたところに立ち止まったまま、置物のように観察していた。]* (103) 2022/09/04(Sun) 9:49:27 |