【人】 クラヴィーア ― 王子様のいない灰かぶり ― [父の事はよくある話なんじゃないかって思う。 身分と地位を手に入れる為に母に取り入って、結婚して 胸糞悪いがな……。 踏みつけられ、生かさず、殺さずをされ 何度心が折れかけたことだか。 政略結婚の道具の価値の為に、女としては綺麗なままなのはせめてもの救いなのか。 物語の王子様なんて存在しない。 それを痛感した私は残りの力を振り絞って島に飛び出した。 そこで貰った物全てに私は救いあげられた。 記憶を代償に叶う願い。 自分で願わないといけなかったのに、何を思ったのか会ったばかりの人間に願ったアマミさん。 あの時貰った願いに家族との別離まで相当に救って貰ったのも事実だ。 それ以上に……ちっぽけでつまらないと思っていた自分が……『それだけで十分な理由だ』と その言葉がずっとずっと 私を支える大事なものになっていた───── ]** (104) 2021/04/01(Thu) 9:15:17 |