人狼物語 三日月国

89 【身内RP】オーボン・クエスト〜凶星の名を告げし刻〜


【人】 吟遊詩人 フェリックス

 
 もう10年程、病に臥せっているという
 どこか遠くの国の、
一人の王子様のお話。


 その王子様は変わり者でね、
 よく城下町にお忍びで繰り出す人だったわ。
 お城の中にいるのが嫌だったのね。
 口を開けばやれ政だとかやれ誰が時期王に相応しいだとか、
 ギスギスした空気が息苦しくて、窮屈だったのよ。


 やりたいことは何一つやらせてもらえず、>>1:132
 むしろ馬鹿にして見下されたりしたこともあったようね。


 城下町へ下りればありのままの自分でいられた。
 得意のピアノで流行の曲を弾いて酒場を盛り上げたり、
 談笑したり馬鹿やったり、とても王子様って感じじゃ
 なかったけれど、街の人たちには愛されていたはずよ。

 だから優秀な兄弟たちを差し置いて、
 その王子を王に、という声が段々と大きくなったわ。
 逆に王侯貴族たちからは相応しくないという声が多くてね。
 困り果てた王室は彼を城の中に閉じ込めたの。
 そして王族としての再教育をうけさせる日々。
 病に臥せっていると、民衆には報せてね。

 でも閉じ込められたまま黙ってる王子じゃないのよね。
 元々王位継承とか興味はなかったし。
 本の知識じゃなくて自分の目で、
 世界を見たいという
もあった。
 
(105) 2021/08/21(Sat) 14:50:25