【人】 灯守り 立春[耳元に降り注ぐ、大好きな落ち着いた声。>>62 お姉ちゃんを発見できた喜びで勢い余った妹を しっかりと抱きとめて背中をさすってくれる、優しい手。 もしも周りに人が居たならなけなしの世間体を多少は気にして もう少し我慢出来ていたかもしれないけれど、 幸いにも周囲に人の気配はなかったものだから 瞬く間に甘えたがりな子どもの私に戻ってしまった。] やっと見つけたぁ…… [背へと回した腕に力を込めて すっかり安心しきって頬を擦り寄せる。 苦しくなるまで息を吸って 肺をお姉ちゃんの匂いでいっぱいに満たしてから ぷは、と大きく息を吐いて顔を上げた。] へへ。ごめんなさい! お姉ちゃんが出てくのが見えたから 居ても立っても居られなくなって探しに来ちゃった。 [走り回っていた妹を嗜めるような口調で、 それでいて欠片も責める気がないのが伝わってくるから。 まったく反省の色のないごめんなさいを口にして、 向けたのは、高揚してはちきれんばかりの笑顔。] (105) 2022/01/19(Wed) 21:51:29 |