【人】 二年 武藤景虎 じゃー、ご飯はお任せっと。 [ぽちぽちスマホで料理長に「お任せ〜」と伝えておき、余裕の雰囲気であったのはここまでだった。 天国から地獄へ。>>103急転直下の大滑落が始まったのはここからだ] 落ち着け、三國。 その数式は一年前に教えたやつだ。初見じゃないぞ。 いや、初見なのか、やだ、怖い。 [教えたはずのところが抜け落ちている恐怖を覚えて身を竦ませてしまう。 おかしいな、学校の教室で教えたこともあったんだがなと首を傾げる。 恐怖は絶望へと、一年の春という初歩も初歩、まだ家の中にいますよという段階に遡ると登場するのは用意された問題集と参考書たちだった] いいか、数学は低ランクの人間は覚えゲーだ。 数式を覚えてパズルのように当てはめればあら不思議。 [問題になるのはそれが積み重ねられるということである。 一年春からの積み重ねがジェンガのように歯抜けになっている三國の記憶を埋めていく作業が始まる。 出る範囲が絞れているのは幸いなことだ。 少しずつ絶望の淵から立ち上がりふらいあうぇいする時が近づいてくる] (105) 2024/11/17(Sun) 14:09:02 |