人狼物語 三日月国

203 三月うさぎの不思議なテーブル


【人】   タカノ

[ ひらりと白く小さな手がこちらに振られれば
 目を合わせ、軽く会釈をした。

 互い一人なら相席をすることも
 あっただろうか。

 芸能界という狭い世界では芸歴が
 幅を利かせることが多い。

 ドラマで共演した子役が、
 ふてぶてしく自分を顎で使おうとすることだって
 ままあることだった。珍しくもなんともないが

 ピュアマーメイドの先輩方に置きましては
 そんなことはなかったと記憶している。

 再会してからのほうが会話は多かったはずだが
 面白がるように「センパイ」と呼んでいたかもしれない。
 なにせ彼女が後輩を呼ぶような色味をもって、
 俺を高野君>>105、とそう呼ぶものだから。

 前のめりに肩を叩かれた日には、
 いいひとなんだろう、と素直に思った。

 挨拶に行くとしても、後ほどになるだろうかと
 ぼんやり考えながら控えめに、手を振り返しただろう。* ]
(108) 2023/03/01(Wed) 21:05:06