人狼物語 三日月国

246 幾星霜のメモワール


【人】 白昼夢 ファリエ

>>108 エミール

「はっきり言われるとなんだか……変な感じ。
 こんな事件でも無いと、私達って食事をすることも想像できないというか。
 あなたもそう思いませんか?」

無論これからそういう会に赴くのでもないのだけれど。
物心ついてから孤児院に根を張っている藻女と気まぐれで子供の面倒を見に来るあなたとだなんて。
ボタンを掛け違えるような、可笑しさを覚えてしまう。

「いえいえ十分です。お言葉に甘えて」

そうは言いつつもちゃっかり奢りの現地は取って笑みを深めた。
言い方が少し意地悪だっただろうか。冗談のつもりだったのだけれど。
それから背で手を組んでその場での話は切り上げただろう。

適当に時間を潰すだけでも、ある程度は落ち着ける。
きっと、突然の事が多すぎて呑まれていたのだ。
友人と呼べるほどの間柄でもないけれど、顔見知りであれば多少は日常を意識する手助けになる。

いつ振りだろうか。
子供の相手をしない時間を独りで費やさないのは。
暫し教会の大きな女神像に何かを訴えるような視線を向けていた。
(111) 2024/01/29(Mon) 22:03:25