【人】 天狗[村の処遇を問えば、無邪気に是が返り その様子に天狗の懸念も晴れた>>103 もう、小僧にもあの村は必要ないのだと、ならば躊躇う筋もない そうして、眷属になれと理由と共に告げたなら、背の翼が軽やかにはためいた 真っ直ぐに感情を向けてくる小僧が可愛くて仕方がない 妖力を受けヒトではなくなりつつあって、歪むことのないその様子は 確かに天狗を安心させたのだ、きっと眷属となっても小僧の本質は汚れないだろうと] そんなに笑わんでくれ [今更に名を問うのに小僧が笑うが、今の今まで他人の名なぞ気にしたことがなかったのだ、仕方がない、と思う 暫し笑ってから、どこか芝居じみた仕草で「名」を告げるのを聞く>>104 人が嫁入りするときの約束事らしいとは、長く生きた中で聞いたことはあるが つまりは、「茅」の中での婚姻の意思なのだろう 人の子が生まれた家を捨てて他家に嫁ぐように、「ヒト」を捨て「天狗」へと嫁ぐのだと] (111) 2021/06/24(Thu) 22:45:55 |