【人】 事務員 深瀬賢影から湧き上がるツタのような物――触手が彼女の身体を絡めとる。 脚に、腕に、腰に…彼女の身体の自由を奪ってしまう。 『安心してください。 息吹さんを 傷つける気はありませんし、乱暴を働く気もありません。 ただ、嫌でも淫魔の性(さが)を制御する術を学んでもらいます。』 彼女の気崩した胸元へ指をあてて、私の精力を流し込む。 途端、彼女の胸元に黒いハートを模したマークが浮かんだ。 『これはマーキング。 淫魔が気に入った相手――まぁ、互いに恋仲になった相手に使うものですね。 これがある限り、息吹さんがどこに居ても、私は息吹さんの元に現れる事ができます。 逆に言えば、 これがある限り息吹さんは私から逃げられなくなります。 (111) 2024/11/12(Tue) 23:01:19 |