【人】 事務員 深瀬賢『――とはいえ、実に初歩的な物。 それ以外の効果はありませんし、 息吹さんが淫魔の性を制御できるようになれば、苦も無く無力化できるでしょう 。ここまでの言葉に偽りはない。 彼女を傷つける気も無ければ、彼女に対して怒りを抱いているわけでもない。 マーキングについても同様だ。 彼女が淫魔の力を制御する気があれば、明日にでも解除できるだろう。 『持て余す性(さが)を制御する気が無いというなら、その間は息吹さんには私の「恋人役」になってもらいます。 無秩序の淫魔の性(さが)がどれほど恐ろしいか、無為に反発する事がどれだけ危険か、学んでもらいます。』 影から触手が湧き上がり、彼女の服の中へと潜り込んで全身をまさぐる。 今の彼女は、さながら蜘蛛の巣に囚われた羽虫のよう。 「――真剣に学ぶことです。」 そんな彼女に一言告げた。* (112) 2024/11/12(Tue) 23:01:36 |