人狼物語 三日月国

224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】


【人】 アリソンに捧ぐ鐘 黒眼鏡

>>112
「ぬかせ。お前よりよっぽどいい上司してたわ」

本気の舌打ちをぶちまけながら、バックミラーをぐいと捻る。
根本から明後日の方向を向いた鏡は、もう背後の街並みを映し出したりはしない。
視界に広がるのは風の割には穏やかに揺れる海面と、
それを無機質な倉庫の陰が無機質に、参差として遮っていた。

助手席が開くの音に覆いかぶさるように、
蹴り開けるような勢いで扉が開く。
ところどころ穴の開いたスーツの裾がばたばたと、
忙しなく海風を孕んで揺れていた。

「一服する間くらいは待ってやるよ」

ばん、と力任せに叩きつけられたドアは、しっかりとは閉まらずに中途半端にずれ・・た。
車越しににらみつけるアレッサンドロの片目もまた、押し当てられた布切れを赤黒く滲ませている。
銃弾が掠めたのか、あるいは貫通したのか肩や腿にはごわごわと乾いた血液の痕が張り付いていて、特に左腕の動きが鈍い。
それでも、

「おめえが何やったか、よく見てなかったンだけどよ」

フィアットの天板に、ごとん、と肘を乗せて。

「んなもん、どうでもいいから。」
「これからぶっ殺すくれえ殴るから、死んでも文句言うなよ」

  ――笑った何もかもどうでもいいくらいに

#BlackAndWhiteMovie
(113) gt 2023/10/01(Sun) 2:30:45