【人】 呪術師 ユラ=ルネア[相手は何と 王子様 。まだこの時分には、 わたくしの 家に影が差してはいません でした。初めてお目にかかったのは、王国主催のパーティーか、 それとも何かの式典だったか。 一目見た瞬間に、雷が落ちた心地でした。 太陽のように眩く 輝く金髪 萌黄色の瞳 それだけで、 わたくしの心を奪うには十分でした。 どういう訳かその王子様、 時折、城下でお見かけしました。 公式の場でお見かけするお姿よりも、 何故か生き生きとしていらっしゃるように見えて。 本当に、わたくしは 見ているだけで幸福でした。 相手の身分は知っております。 故に中々話しかけることも叶わなかった。 でも、知らないふりをして、 勇気を出してお声がけしたことも、実はあったのですよ。 ですがその幸福も、永遠に続くものではなく……。 王子が姿を見せなくなったのが先か、 わたくしが灰を被ったのが先か……。>>100 そこで、初めての恋は幕を閉じてしまったのです。 *] (113) 2021/08/21(Sat) 15:49:06 |