【人】 オリガミ部2年 近藤 絵理香──回想 しおり── [彼女がわたしのことをどう思ってくれているのか。 それもまた、私は表面上に現れていることしか分からない。 お姉様と呼ばれていたなら「柄じゃないよ!」と笑ったかもしれないけれど、彼女に対して印象的だったのはあの本を拾った時の事だった。 あの、真っ白な顔。>>@5 その本が、タイトルからして分かるような、或いは表紙が明らかにそう言うのだったのだろうか。 流石にそれなら察して。] ……、あ。 佐藤さん、こう言うのも好きかな。 もし良ければ読んでみてよ。で、感想聞かせて? [そう言って渡したのは、たまたま読んでいた母の古い文庫本。 村山由佳著「BAD KIDS」だった。 主人公は二人。どちらも高校生。 写真部の女子は二十も年上のカメラマンとの性的なものを含む関係に悩み、ラグビー部の男子は部活仲間の男子への恋心に悩む。 そんな二人の、どこか危うげで透明な友情を交えた、それぞれの恋愛を描いたものだ。 ちょうど読み終えたタイミングで良かったと思う。 その後も、小説でも漫画でも、ドギツイものは苦手だったけれども母の所有する作品から所謂「耽美」な作品は彼女にも紹介したと思う。 漫画なら萩尾望都作品。小説なら多岐に渡る。] (114) 2020/11/22(Sun) 2:40:56 |