【人】 アイドル 三上 麗央[洗面所に向かい、鏡に顔を映す。シーツのシワでもついていてはいけないし、髪が乱れていてもいけない。 テレビから写真からそのまま抜け出たようなReoを形作る。それをしなくては、人前に出る訳にはいかないから。 いつからだろう、鏡の中の自分に違和感を覚えるようになった。取り繕う仮面を被った怪人に見えて、いつかこちら側の自分を乗っ取りに来るような気がする。 ……もう乗っ取られているのかもしれない。 両手で顔を叩く。跡の残らない程度に、でも痛みを感じるくらいに。] しっかりしろ、三上麗央。 [自分に言い聞かせて部屋を出る。さて、どこに行こうか。] (115) 2020/07/24(Fri) 0:14:47 |