【人】 清和>>104 宵闇 「"そうはいくかよ。お前も道連れに決まってる"」 なんてな。と、あの頃の再演をしながら楽しそうに笑う。 こんな風に気安い仲になる前は、ささいな諍いを起こしていたものだ。 「俺は俺だよ。あの頃も、今もな。 ふふ、全然変わらないように見えるんだな、お前には」 「へえ……なったんだな、本当に。 流石だな、カケル。おめでとう」 ギターを鳴らす音、その余韻が消えるまでのわずかな時間。 少しだけ宵闇の姿が10年前のものと重なったように思えた。 わかりやすく驚いているようには見えない。 あなたが順調な人生を送れていることがとても嬉しいようだった。 ぱちぱち、と小さく拍手を送りながら祝賀会でも開こうか? なんて、提案をしてみる。もう、酒が飲めない歳でもない。 「俺か? ……正義の味方」 はぐらかすような答え。 これも清和の変わらないと言えば、変わらないところで。 嘘か本当かはわからないようなことを言うのも相変わらずだが。 "イタい"と言われそうなことをサラっと言えるのも相変わらずだ。 (116) 2021/08/10(Tue) 2:33:50 |