人狼物語 三日月国

224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】


【人】 アリソンに捧ぐ鐘 黒眼鏡

>>118

爪先が何かを掠めて、あるいはまったく空振りをして、
けれどそんなものはどうでもいいと引き戻す。
格闘戦において、自らの肉体を伸ばしたまんま相手の射程内に置いておくほど愚かしいことはない。
──そんなものを分かっているとばかり、即座に叩きつけられた拳と脚刀がぶつかりあう。

「っ、っだ、」

膝裏を鉤のようにひっかける指を上から押しつぶすように、
器用に全身のばねをたわませてもう片方の足を叩きつける。
技術というにはあまりにも稚拙で力任せなそれが、
もつれあうようにして互いの手足をはじき合った。
人間が滞空していられる時間は、そう長くはない。
アレッサンドロが辛うじて両足を地面に着地した時には、
そんな一瞬の攻防を経て、互いが姿勢を崩したままだった。

No
僅かに、無茶な動きをしたアレッサンドロの方が姿勢が悪い。
それを補うように、咄嗟に距離を埋めるように左手の拳が突き出される。
──ちか、と。
金属の輝き。

握り締めた拳の指と指の隙間、
そこに握り込むように金属片車の鍵
拳から突き出す先端は猛獣の爪のように、防御すれば肉を裂き骨を打つ。
距離と間隙を埋めるように鋭く二度、三度、狙うは当然顔面、あるいは傷を負った胸元や肩口。


#BlackAndWhiteMovie
(119) 2023/10/01(Sun) 11:03:51