【人】 龍之介[休憩を取る間も惜しい、と お屋敷に準備して置いてきたものと同じ>>64 小振りなおむすびを 口に放り込み、頬張りながら 歩き、薙ぎ、くぐり、歩き、見上げ… 探す。 具に選んだ 胡桃と甘い味噌の香りが 鼻を抜ける時、あーんと口を開く お姿が思い浮かんで 焦りに塗りつぶされた表情が、ほんの少し緩む。 普段はそっけない態度を取られる御方だけれど、 時折、ぽろりと見せてくださる 溢れるような笑顔は 筆舌に尽くしがたいほど可愛らしい。 豆乳寒天を召し上がられた時とか、…特に堪らなかった。 (これも、お好みだといいのだけれど…) と、考えて 反応が見れないことが、 なんだか無性に 淋しく なった。] (119) 2021/06/21(Mon) 21:31:05 |