【人】 二年生 稲出 柊一[無事に参拝も終わり、本殿の方へ向かい、 更に脇の小道を通り抜け、石段を上る。 心なしか様子がおかしいのは察していたが、 態々突っ込むほどではないというのが個人の感想だ。 見晴らしのいい、思い出の場所に涼しい風が通り抜けて、 そよそよと髪を揺らした。 ただでさえ奥まった場所だ。しかも今日は何もない日。 他に人なんて、いる訳がない。] 本当だね。 花火見る時くらいしか来ないから、知らなかった。 [彼女の向かい側に腰掛けて、自分もジュースに口を付ける。 あの時とは違い、沈黙を埋める何かは無いので、 暫しまったりと時が過ぎるのだが……。 別にいいけど、これどういう状況かな……? そんな風に過った。 目の前の彼女は、何だか緊張した面持ちだし。] さっきは何お願いしたの? [ついに沈黙が気まずくなったのか、それを破った。*] (120) 2021/07/28(Wed) 21:56:47 |