【人】 おかえり 御山洗>>120 宵闇 「……せっかくだしさ。もう濡れちゃったら、関係ないし」 昨日は水辺には入らなかったぶん、はめの外しに拍車がかかったのかもしれない。 臑の浸かるところまで入っていって、潮の匂いに満たされた空気をすんと吸う。 都会の海だったらこうはいかない。遊びに来ただけではあっても、感慨はひとしおだった。 「何やってるんだ、本当。 あしどけてあげなよ」 なまこが遊び道具になっているんだろうか、みんな。夕凪に振り回されていたのを思い出す。 ざぶざぶと海の中を難なく歩きながら寄っていって、踏まれているナマコの顔を見に行く。 (121) redhaguki 2021/08/14(Sat) 17:42:19 |