【人】 天狗 1回生 ヨシツネ→保健室 「…んっ――…。」 周囲に漂う精気によって僅かずつ回復してきているとはいえ、ただ移動するだけの時間では状態は変わらず、相変わらず身体の自由は効かないまま。 むしろ気力でなんとか保っていた意識も、だんだんと朧気になっていく。 息をするのがつらい、手足が重い、早く精気を取り入れなければ、早く。 中空を手が彷徨い、目線で周囲を見渡して…あぁ、すぐそこにあったじゃないか。 こちらの様子を見ている、ひとりの少女。 ゆっくりと、手を伸ばす。 濃く、美味しそうな精気の持ち主へと。 それが誰であるかなど、気付く事の出来ないまま。* (121) 2023/06/23(Fri) 22:37:03 |