【人】 舞戸 黎哉──中庭から桜の間へ── [手を取るその直前の様子に「ははあ」としたり顔。 その後は案内されるに任せてラウンジから桜の間へ。 手にしたのは青森の酒。 一言『田酒』と言っても多種多様な銘柄があるが、それは何だったか。 何であれ田酒を選ぶ辺り酒好きなのか。] ああ、月明かりに浮かぶ華もまた風情。 [瓶を片手で掴んで玲のグラスへと注ぐ。 とくり、とくりと豊潤な香りを立ち上らせながら。 この時は知らぬことだったが、この香りがわからないとなればそれは勿体ないことと思っただろう。] (122) 2020/08/11(Tue) 21:31:30 |