【人】 灯守り 小満――『慈雨』―― [小満域の中央、石畳に噴水がきらきらと光を放つ広場に面して、その店はある。 恵みの雨の名を冠する店へ気まぐれに(とは言いつつ、頻繁に)店主は訪れ、来店客とひとしきり自由に話をしては、またふらりといなくなる。 そんなことを繰り返し、繰り返し。そして今日も、同じく。 違いがあるとすれば――今日は、このあとすぐに出ていくということくらい。残念ながら、本日のお楽しみはこれからなのだ。] ちょっと留守にするから、みんなの顔見にね。 どうだい、変わりない? [にこにこと客席を見渡せば、いってらっしゃいなり、帰ってきたらうちの畑見てってくれなり、口々に色々返ってくる。 うむうむ、よきかなよきかな*] (122) 2022/01/16(Sun) 18:42:16 |