【人】 拷問吏 ネロ>>110 カンターミネ 半ばまで他人の中に埋まっていた手指を 念入りに洗いながら、喜色めいてドアの方を見る。 サテン地のタオルで手を拭きながらドアを開けた。 「ほう。好い時分だ。 仕事終わりと同時に訪れた故、 時報かと思うたが、持っておるな。 ガイオが如き賭けに興じてみては如何だ」 実際、このような幸運は二割ほどであることも、 承知の上で、布で頬の赤を拭きながら言った。 「明日か、仕事が多きことは好いことだ。 女史が手空きなら 明日以降にむしろ手伝うてもらうのも一興か。 切れすぎぬ刃の方が後遺症を残すというからな」 他人と共に"責め"を行うと その酷さがさらに増すことは自覚していた。 ましてや、彼女とであるなら、それはそれは酷い有様になる。 #拷問部屋 (126) 2023/09/13(Wed) 22:20:55 |