![]() | 【人】 日本舞踏家 月嶺 澄翔― 回想:スタジオの食堂で ― …………ふへ? [まだその呼称は拝命していないはずの、"もずく男子"という声が聞こえ、鮮やかな色合いの髪色が目端に入る。 見上げたらそこには七川さんがいた。 >>92 ] あ、"おはようございます"、七川さん。 [まだ口にし慣れていない、"おはようございます"の挨拶。 "よし"と言われなければ食事もしない犬よろしく、最初に刷り込んだ呼称のまま"七川さん"と口にすれば、悠凛は悠凛になったのに自分はまだ七川なのかと言われたりするだろうか。 すっかり”圭吾さん"になってしまった圭吾さんをちらりと見て、七川さんを見て、ちゃんと覚えてはいるんですと、小さく呼びかけた。] 七川……しずか、さん。 [なんでフルネーム?と自分でも思ったけれど、練習なので。次からは大丈夫なので。 もちろんどうぞと、隣席を示せば、大柄な彼がすとんと座ってくる。やっぱり、こう、悠凛さんとは別な方向に華やかな人……存在感のある人だなあって。] 切っ掛け、作れましたか? [礼を告げてくる惺さんに、私も皆さんにお聞きしたいことだったのでと首を振り。 サウナが云々という話題になったところで、やっぱり皆サウナが好きなものなんだなあと思いながら、ただ、頷いていた。 αしかいないような"サウナ会"に己が参加するわけにはいかないし、そうでなくとも"裸の付き合い"自体、僕には難しいお話ではあって。 圭吾さんの気遣いをそうとは気付かず、"ご飯でも"という声には、私も是非と笑顔で頷いていた。 >>122 本当に。本当に圭吾さんは、そういうところですから。]* (126) Valkyrie 2025/08/19(Tue) 11:24:19 |