人狼物語 三日月国

124 【身内P村】二十四節気の灯守り【R15RP村】


【人】 灯守り 立春

[ここは "
立春
" 統治域。
華やかな春の訪れを告げる季節を拝命したこの土地は、
冬の匂いを随所に色濃く残しながらも
はじまりを予感させる生命と希望に溢れている。

統治域の半分ほどは雪原と針葉樹林に覆われ、
小さな村や集落が点在している。
中央域に程近い街は特に活気に満ちていて、
多種多様な商店や飲食店が立ち並び、人通りも多い。
両隣の"大寒"・"雨水"統治域との交易も盛んだ。

雪解けを待つ寒冷な気候にあっても豊かな生命が育まれ、
その生命を糧にまた他の生命が命を灯す。

生まれ育った"芒種"の統治域に比べれば
随分と寒いはずのこの地の背筋の伸びるような空気が、
故郷より肌に馴染むようになったのはいつからだっただろう。

私がまだ師匠の、先代立春の弟子だった頃は。
東風解凍はるかぜちゃん』と呼ばれていた頃は、
まだつめたい風にもう少し凍える日もあったと思う。

広場を抜け、路地を過ぎ、雪解け水の流れる小川を渡った先。
よく手入れされた黄梅の梅林をまっすぐに進んでいくと
突き当たりの高台に、この統治域を見守るように
天高く聳え立つ大きな樹が一本ある。それが "入口"。

大樹の前で白い吐息をひとつ吐き出すと、
呑み込まれるように樹の中へと沈み込んだ。]
(127) rinto 2022/01/16(Sun) 20:21:55