[思案する、回想する。
己と桜花は。同じくAIが”親”と呼ぶものが設計し
産み出された存在である。
次世代として繁茂できるかは今後次第ではあるが、
根差すことを希求する己よりかは
人の割合の多く、汚染されぬ大地を求める己より
光を求め、「咲かせる」桜花の方が生きやすそうには思える。
己と同じく、桜花もまた戦場に足を向けることが多い。
桜花の本能は、戦場の跡に何を求めているのか。
己の名を呼ぶ
>>116 声。
旧人類の遺骸に向けて戯れに伸ばし、翳した手は
空を切って、向けた僅かな興味とともに落ちてゆく。]