>>113 ダヴィード
「火を通せば食えるのか。料理はする方か?」
背が高ければ当然足も長い。歩くのも速い方ではある。
その速度が心なしか落とされているのも、やはり貴方と並んでいるからなのだろう。
往来を見回せば並ぶのは秋の色を纏った商品たち。衣類も、食品も、季節と共に移り変わって目を楽しませる。
「確かに。」
店頭やら貴方の生え際あたりやらに目を向けつつ。
「近頃は随分過ごしやすくなった。」
「陽が落ちるのも早くなっている。あまり遅くまで出歩くなよ。」
大人らしいことを呟いて、目当ての店はどれかと探した。
#街中