【人】 酔いが醒め、宵が来て ミズガネ>>121 >>122 >>123 ユピテル 柔らかな感触が唇に齎される。心を締め上げていた寂しさや歯痒さが溶けだして、息苦しさがなくなった拍子には、と一つ小さな吐息がこぼれた。 弱々しげな視線を投げたまま貴方の言葉を拾い上げて、思案する。 これがもし逆の立場だったならどうだろう?嫌なことを我慢させてまで好きにさせたいと言われて嬉しいだろうか? …………そんな筈はない! 「…………ユピテル」 愛しい人の名前を呼ぶ。少しだけ声が震えたような気もするけれど、自分のことなど気にかけていられなかった。 ▽ (129) 2021/10/28(Thu) 17:08:38 |