人狼物語 三日月国

230 【完全RP/R18G】アダムとイヴにさよなら


【人】 巫凪 桜花

[まだしなやかに細く、脆い枝を見定め、足を止めた。
天窓に切り取られた陽光が降り注ぎ、その下に立つ白衣が、
淡く白光を滲ませる。

つと地に膝折れ、頭を垂れる仕草は、
旧人類が祈りを捧げる姿にも、
或いは、不朽の愛を乞う姿にも似る。
触れる仕草は、慰撫するよう]


[静寂を破るざわめき。

葉擦れが、空気を震わせる。
天窓越しの空へと、一途に腕を伸ばす枝、枝。枝。
黒茶の幹肌が、絡む緑にみるみる覆われる。

膝下より低かった若木は、首を反らしてなお見上げる巨木へと育ち、果実をその腕一杯に実らせる。
がっしりとした幹には、ともに成長を遂げた蔦が巻きつき、
蛇のように搦む。

一つ捥いでみれば、赤く艶々と、掌におさまる丸い果実。
顔を寄せれば、甘くも爽やかな匂いが胸を満たす。
齧ればきっと、瑞々しいのだろう。



―――恍惚の、息を溢した]
(131) eyes 2023/11/21(Tue) 10:57:41