【人】 クルー 御子柴 詠斗 [ 髪を耳にかけた彼の手は そのまま彼女を抱き寄せるように 彼女の腰へと降りていく。 そんな彼の手とは反対に、彼女の細くて美しい手は、 彼の顎を伝って頬に添えられる。 そして、試したくて仕方がなかった彼女の唇が、 彼女の方から当てられる。 柔らかくて、離したくない。 そんな気分にさせられた彼女の優しい口づけ。 口づけを続けながらグラスをテーブルに置けば、 小さく開いた彼女の唇の中へと 彼が臆することなく侵入していく。 ゆっくりと、まずはお互いの舌先を撫で合うように 絡めあい、刺激を徐々に増やしていく。 彼女が物足りないというかもしれないタイミングを見て フリーにしていた片手を彼女の太腿へ。 勿論、いきなりその隙間に手を入れるという 蛮族的なことはなしだ。 ただただ舌を絡め合いながら、 彼女は軽く腕を彼の首肩に絡め、 彼は指先を使って彼女の太腿をツッと撫でていく。 広い部屋の中に広がる、くちゅ、という口づけの音と、 その合間に漏れる男女の呼吸の音 ] (135) 2020/07/14(Tue) 10:42:30 |