【人】 舞台役者 ヴィクトル[ 愛想を尽かされるだろうか。悲しいが仕方が無い。 自分が所詮それまでの男だっただけのこと。 実際、黙って一人で姿を晦ましたのだから、当然である。 それでも。 友だからこそこんな姿を見せたくなかった。 会いたくなかった、と思い続けていたはずだったのに。 顔が見えて、声が聞けて。実際に会うことが出来て。 無駄なプライドと意地がいかに邪魔をしていたのか。 愚かだったのかを痛感する。 ──涙は暫く止まることは無く。 拒まれぬなら、友の胸元に縋りつき、泣き続けていた。]** (136) 2019/04/14(Sun) 4:09:40 |