【人】 どこにでも居る ルヘナ>>124 >>125 二日目キファ 君の瞳に、見透かされている気分がする。 長年培った観察眼、とでも表そうか。 そんな君から紡がれる言葉は、楽しげな声色は、 どこかするりと、心の隙間に入ってくるのだ。 ……悪くない、と、感じた。 「性が悪いとは、聞き捨てならんなあ。 ルヘナはこんなに誠実に生きているというのに、な。」 君が差し出すカップへ、カップをぶつける。乾杯だ。 がちん、と鈍いガラスの音が重く響いて 二人の空間へ、芳醇な薫りを拡げた。 「であらば、ルヘナの視野も提供してやろうか。 君が求めていない、 君の尊く長い人生を、貪るような、な。 君がルヘナを彩るか、 ルヘナが君を汚すか。 ……そんなところで、如何だ?」 クッキーを手に取る。貪る。 酷く甘い舌触りだ。咀嚼。喉へ下す。 ───飲み込んだ。 君とのW茶会Wを、 終わらせてやる気は、微塵も無くなった。 (137) 2021/04/21(Wed) 16:02:28 |