【人】 XIV『節制』 シトラ── 思いがけないお客さま [ そのひとが扉から顔を覗かせたとき>>126、 わたしは目を瞬かせた。 アリアちゃんと仲の良いひと。 それまでわたしの狭い世界では 出会うことのなかったひと。 何か複雑な事情を抱えていそうな、 いつだって穏やかな笑みを湛えているのに どこか淋しそうにも見えたひと。 どこか距離を置かれているのは感じていた。 それがどうしてかは、わからなかったから わたしがアリアちゃんにくっついていることを あまりよく思われていないのかな……なんて、思って わたしの方も距離を取るようになってしまっていた。] あっ…… クリスタベルさん、いらっしゃい……ませ……っ あ、ありがとう……ござい、ます よろしければ……どうぞ…… [ 席を勧めて、新しい一杯を作り始めながら 自然と口元が綻んでゆくのを感じた。 できたての方がきっと、美味しい ]* (139) 2022/12/23(Fri) 22:01:42 |