【人】 蕃神 雷恩[己の瞳が夜と朝の間の色合いだとすると 桜花は昼の空の色合いに近しいように思う。>>133 空気が汚染されている現在でもそう思うのだから きっと、旧人類が穢す前の空は、桜花の瞳の色そのもののように もっと淡く。透き通るような色合だったのかもしれない。 この研究所は、桜花にとって好ましい空気であるようだと 瞼に隠され、再び開かれた空と水を映した色合いの瞳と 肯定する、紡がれた言の葉が如実に語る。 訥々としながらも少しだけ、 何処か幼子のようにも聞こえるのは、どうしてか。 自分が早くに生まれたからこそ、少しばかり背伸びしたいからなのか それとも少しばかり素をさらけ出していると考えていいのか。 思考と、その時湧いた情を表に出すのは不得手故に、 やはり発する己の言葉は淡々としている。 されど。 動物がいる。という言葉には。 少しだけ目を、瞬かせることとなった。] 動物。 [根を張るための地。生命の育つための空気、清浄なる水。 そういったことへの関心のみであったからこそ目から、鱗。 汚染された大地では、旧人類以外の生命体を殆ど見た覚えがないように思う。 戦場だからこそかもしれないのだけれど。] (141) 2023/11/19(Sun) 19:06:07 |