![]() | 【人】 日本舞踏家 月嶺 澄翔― 圭吾さんの自宅へ ― …………?姉さん、が? [持たなければ良かったと、心の底から後悔しかけていた重たいテーブルを抱えた状態で、圭吾さんと視線を交わし。 どうにか落とすこともなくテーブルを元の位置に戻して圭吾さんの元へと行けば、此処へは姉さんが手引きしてくれたのだと告げられた。 とはいえ、姉さんは僕の番相手が圭吾さんとは知らない筈で。 圭吾さんもまた、姉のことはほとんど知らない筈。 何故?と首を傾げれば、圭吾さんは連絡が途絶えた僕を心配して、この家の前まで来てくれていたということだった。 >>135] すみ、ません……貴重なオフ日に……。 ["お祖父様のことは聞いた"と告げられれば、こういうことに巻き込みたくなかったのにと顔を歪める。 けれど、ここで積もる話をするわけにはいかず、使用人や門弟たちの姿がない今のうちにと、とにかくこの家を出ることにして。 財布やスマートフォンを探しに行ってから出るという意識も無かったから、本当に着の身着のまま出てしまうことになり、また、"すみません"を言う数が増えた。] (141) 2025/08/19(Tue) 15:59:37 |