【人】 寿ホ儀 直青>>92 なるほど。フランクルさん。 あなたは、ご自身が「何故そうであるのか」に 興味を然程お持ちではないようですね。 [直青は眼前の対象の、情動の変化を観察していた。 そうするのが"癖"になっている。所属AIや自らが"産み"、見守ってきたbébéたち程に波長をアジャストさせることは叶わぬまでも、ある程度の推移は追える。 第一段階の判断を完了する。 彼の思考は表層意識の、殊に浅層にばかり留まるようだった。点と点の思考が不連続に連なっている。線ではない。網でもない。それこそAI以前のbotの仕様を想起させる挙動に、それは見えた。 しかし不思議と"人格"としての一貫性は損なわれていない。] 興味深いですね。 記憶に混濁があるとの情報がありましたが、 その影響なのでしょうか。 ああ、僕には付着していません、お気になさらず。 清拭をお手伝いしましょうか? それと、その粘液はそのように損なわれて あなたの体調に悪影響はないのでしょうか。 どなたかお呼びした方が? [螺子そのものへの興味を上回るそれを、直青は眼前の青年──フランクルと、『浮草生命研究所』へと抱き始めていた。] ** (143) 2023/11/21(Tue) 14:57:59 |