― 朝:バレンティン ―
[
丁子に茶を混ぜた…と記憶していた気がする。
話す機会は無かったが、狭い施設の中では袖も触れるもの。一目してはそう定め、直接に言いはせねども落ち着きのある色だなと眺めていた。
名前は確か。]
バラン…バレンティン。
[自身の発音の問題か口に出すと間違えてしまう。覚えてはいるから正しく発音し直す。手の甲で口元を隠し定点定まらぬ目をしていたのならそれは気にも掛けられるだろうか、
吐き捨てた言葉を気に掛けられたとは露にも思わず。
自身の名前の成否については訂正を入れない事で肯定を返す。
>>142]