【人】 ローグ ギュルセルふ……。 [飼い慣らせと挑戦するように言って笑むテンガン>>144を、男は鼻で笑っただけだった。 彼が倒れたのはロープの力でなく、自ら身を倒したのだとは、未だ媚毒に酔ったままの男にも理解できた。 見慣れない動きをしていたからだ。 彼がそうした理由を考えるよりも先に、男は彼の膝を押さえつけた。 そして這って膝に乗り、体重をかけて、見えた腹に手を伸ばす。 そこから下衣に手をかけて、兆した下肢を剥き出させようとしながら、視線を上向けて彼の様子を窺った。 もしテンガンがされるがままなら、そのまま下肢に牙を近づけ、喰らいつくかのように口中に収めようとするだろう。 媚毒に蝕まれ緩慢な身体でできることは多くない。 男が酔っていても、テンガンの後孔を貫こうとするのが無謀なのは感じていた。 それよりも手っ取り早く確実な方法として口を選んだ。 酔いが回って選んだ行動だからこそ、本能が強く滲み出ているのかもしれない。 人間として生まれたはずの男に染み付いた獣の本能が]** (148) 2021/05/06(Thu) 0:07:18 |