【人】 寿ホ儀 直青-病棟・緋雁居室 とある深夜- [その夜は緋雁が不在だった。 戦闘員としての"自覚"を強く抱いている彼には珍しいことだ。彼は「戦えなくなる」ことを自身にゆるせない"個性"だ。 本来であれば、我々AIに「納得」は不要のものだ。 旧人類殲滅の為に旧人類の悪行を情報として与える必要などない。理由付けが必要なのはいつだって人間たちだ。 刻一刻と変わる戦況に対応する為、一定の柔軟な思考回路を必要とはする。しかし理念の根幹に疑いを抱く余地などあってはならない。「旧人類が悪でなければ旧人類を殺せない」などというようなことは。 本来であれば。 しかし普段の緋雁が それ 故に任務に忠実であり、自身の能力の維持にも積極的であることは事実だった。] (150) 2023/11/21(Tue) 16:53:23 |