【人】 学生 五反田 健吾─ 雨の日の出会い ─ [ 声は出せる様子だったが、相変わらず彼は青ざめていて体調が悪そうだ>>105 それを見たのなら教師を呼びに向かう。その程度の善意は持ち合わせていたから。 大丈夫だと言われたのなら見守ることになっていたかもしれないが、きっと何も喋らないから嫌な沈黙に包まれることになっていたことか。 ───教師と共に、自分は彼の元へと自分は向かわなかった>>106。いても特に役に立つことは無いし、旧音楽室は十分な目印になる。なにより、図書室がそろそろ閉まる頃合だった。……結局近道を通ったとしても閉まっていたけれど。 だから彼に名乗ることも無いまま、その名前を聞くことも無いまま。いずれ忘れ去るだろう今日のことを再び思い出すのは、……再びの雨の日だっただろうか、それとも違ういつかだっただろうか。*] (152) 2020/11/22(Sun) 12:03:01 |