人狼物語 三日月国

203 三月うさぎの不思議なテーブル


【人】 店員 チエ

[――そして。
 ただ今出勤前、明るいブラウンのうさぎにつやつやした黒い目を縫い付けたところだ。
 今回は名前も考えた。二号機はパン。
 うさぎはどこかの国の言葉でラパンと言うらしい。それと、焼き色みたいなやさしいブラウンがパンみたいだなって思ったから。

 ペレットの詰まった身体は、痩せた綿入りヒトシと違って少し重い。
 代わりに、ぺったり座ることもできる。脚を軽く広げて、手をその間に差し入れるくらいで、ちょうどのバランス。
 くたりと寝そべっても、かわいいシルエット。
 一回試作したからこそ、問題点はよく見えた。
 自分のイメージと、ヒトシとの差。そこを埋めるように直していったパンは――]
(153) 2023/03/05(Sun) 16:03:45