【人】 灰原 詩桜─現在・午後のホテル、足湯にて─ [軽くご飯を食べて、足湯に向かう。 大浴場やプール…とも思ったけれど お風呂にはまだ早い気もしたし プールでひたすら一人泳ぐのは、少し寂しい。 それでもやる事がなくなったらするだろうけど。 だからふらふらあてもなく歩いて 辿り着いたのは足湯だった。 今は、周りに人はいたかな。 スカートの裾を軽く捲ってお湯につからないようにして 足を濯いでからぽちゃり、と中に入れる。 暖かくて気持ちいい。 その傍らにはタオルと飲み物のボトル。] あー、気持ちい゛い゛………。 [空を仰ぎ見ながら、肺の奥底から声を出す。 じんわり足から伝わる温かさが 朝にドッと感じた疲れを溶かしてくれるみたいで あっ、やな事思い出したぞう? ぐーっ、と足湯の中で爪先をピンと伸ばして やだやだ、と頭を軽く横に振ったのだ。]* (153) 2020/07/24(Fri) 9:12:22 |